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阪急電車

お友達が「とっても面白かった」と、言っていたので
有川 浩さんの「阪急電車」を読んだ。
(本当は少し前に夫も読みたい・・・と言っていたのだが、
その言葉は、すっかりと忘れていた。
いつも僕の話は無視して、他の人の話で気がつく・・・と
叱られる・・・笑)

小説は、今津線を舞台にした日常的な出逢いや別れ、
目を背けそうになる光景や、ほっこりする駅の風景まで
片道15分の折返しの電車の中で起こる胸きゅん物語りである。

軽い調子で書かれているが、実に人生の機微を感じさせる
爽やかな作品だった。

私の関西物語スタートも阪急電車だった。
学生時代の新宿から就職で移り住んだ、初めての駅は門戸厄神。
都会から、いきなり蛙がゲロゲロ鳴く様な帰り道。
神戸の仕事場からの帰りは遅く、「いつもこっちが泣きたくなるわ・・・」と
改札を出たものだった。

そして、28年の月日が流れ・・・今阪急六甲・・・
とある休日の早朝、夫と二人で梅田方面の普通電車に乗る。
ケバケバしい朝帰りと思われるギャルが、目の前に座る。
「香水の匂いが、きつすぎるから、席を替えようか?」と、
小声で夫に耳打ちする。
「そやな・・・むせそうや・・・」と夫も同意し、同じ車両のかなり離れた場所に座る。
そんなギャルの事はすっかり忘れ・・・夫と話していると
ギャルが静かに近づいてきた・・・
自分達を避けたかと、文句でも言いに来たのかな?と、少し怯む。
すると、「すいません・・・これ・・・忘れていませんか?」と
私が夫に預けていた一眼レフを持って来てくれたのだ。
カメラの事すら忘れていた・・・(うっかりで、大事なカメラを無くす所だった。)
「ありがとうございます!」
目を見開いて、ギャルにお礼を言う・・・
「ギャルも捨てたもんじゃないね。」と、夫と目で会話する。

小説に出ていたのは香水をぷんぷんさせた嫌なおばちゃん達だってけど
中身は、分からないものだわ・・・とあの時の事を思い出だした。

またある日の梅田からの独りの帰り道。
西北から、普通電車に乗り換えると、目の前に高校生くらいの外人少年が二人。
席は結構まばらに空いていたけれど、少年はデパートの広告を指差して
「どう読むの?」と、相方の少年に聞いていた。
すかざず、お節介そうなおばちゃんが立ち上がり・・・
「これは、大催事場・・・だい・さい・じ・じょう!」
デパートの6階とか、7階で催し物をする会場やで・・・」と
大声で説明する。
外人少年達は嬉しそうに、「おばちゃんすごいね!」とお礼を言う。
おばちゃんは再度立ち上がり、次から次へと漢字を教える。
周りはくすくす笑い出す。
「おばちゃん、なんでそんなに知ってるの?」と煽てると
「あんたらより、ちょっと物知ってるからや・・・」と言い・・・
「ほな、今日はこれで講義は終わり・・・また教えたるわ!」と
夙川駅で降りて行った・・・

何とも楽しいおばちゃんであった、引っ込み思案の日本人も
関西のおばちゃんなら、こうもやってくれるか!と、感動した出来事である。

実際の小説も、日頃ありそうな色んな場面が次々に出てきて
一気に読んでしまったが、今度阪急に乗る時は、また違った視点から
電車を楽しめそうである。
そして、マナーやモラル・・・も考えたいと自分も含めて振り返りたい作品でありました。
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by kiki-246 | 2010-09-30 10:33 | 想い
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