私の大切な人が、帰ってくる。 たった一つのトランクケースに、抱えきれないくらいの想い出を 詰め込んで。 「I ’m home」・・・始めの大一声は、何だろう? あの子の顔を思い浮かべながら、あの子の大好きなタルトを作る。 一番、辛口で・・・ 一番、私を理解してくれて・・・ 一番、憎たらしい・・・(笑) 永遠のライバル。 何回かのメールと、数回の国際電話・・・ たった一度のエアメール。 「空港へのお迎えは?」と、聞くと、 「美味しいもの作って待ってて!」の、返事。 あの子らしくて、自然。 小さい頃から大人びていた。 繊細で弱い面もあるけでど、母親の私よりも世間慣れして 堂々と見える。 どんな楽しい話が聞けるか・・・ 明日を心待ちに、蒼い空を見あげる。 サクサクタルト生地に、クリームチーズとヨーグルト、檸檬の酸味を すっきりと効かせたフィリングを流し込む。 旬の無花果をスライスして、上からアガーのグレースを刷毛で 丁寧にぬっていく。 とろける様なタルトの完成。 煌めく艶は、心の琥珀。 繊そい影は、計り知れぬ思い。 きっと、数日もすれば・・・また早く旅立って欲しいと思うのに(笑) 女同士はいつも友達みたいに、我が儘なものです。 さあ、明日はどんなご馳走を作りましょう。 新鮮な野菜と睨めっこ。 とびっきりのお刺身に合う、定番のおばんざいが一番ですね。
by kiki-246
| 2008-09-02 15:08
| タルト@kiki
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